令和2年度「歯の作文」小学校優秀作文

2021年02月11日
自分の歯で食べる
中央区立日本橋小学校
6年 堀内 翼
 
 「うわっ歯がないよ。ひいおばあちゃん。」おじいちゃんの家に泊まったある日の朝、ぼくが目を覚ますととなりに寝ていたひいおばあちゃんの歯が一本もなくて、口元がしわくちゃになっていた。ぼくはとにかくびっくりして大きな声を出してしまった。ひいおばあちゃんは何事もなかったかのように、しわくちゃの口に大きな入れ歯をカプッとセットすると、あっという間にいつものひいおばあちゃんになった。「ひいおばあちゃんの歯は全部とれるの?」不思議そうに聞くぼくに、「翼くんみたいにしっかり歯みがきしておいたらよかったね。自分の歯はもう四本しかないの、あとは全部入れ歯。やっぱり自分の歯で食べる方がおいしいものがもっとおいしくなるから、歯は大切にしなきゃね。」と、話してくれた。
ぼくは歯が生え始めた一才ごろからずっと歯医者さんに通っている。通院しているけれどむし歯の治療はしたことがない。
これはぼくの自慢だ。
よく歯医者さんはこわいとか、痛いからいやだという人がいるけれど、それはむし歯になってから行くからなんじゃないかと思う。そもそも、ぼくにとっての歯医者さんは痛い治療をしに行くところではない。むし歯にならないために歯のそうじをしたり、フッ素をぬったり、歯の正しいみがき方を教わるところだ。だから痛くもないしこわくもない。むしろメンテナンス中はとてもいい気持だ。今は一人で通院しているけれど、行きたくないと思ったことはない。こんな風に歯を大切にすることが当たり前だと思えるように、ぼくが小さい時から気をつけてくれた父や母にとても感謝している。実は母は小さい頃からむし歯の治療でいたい思いをしてきたから、自分の子どもには同じ思いをさせたくないと思って、ぼくの歯の健康に気をつけてきたそうだ。
歯医者さんの入口にこんな絵が飾ってあった。じゃ口から水がジャージャーと出続けているのに、じゃ口を閉めずに一生けん命にあふれた水をモップでふいているおじさんの絵だ。どんな意味か分かるだろうか?むし歯になる原因を放ったらかしにしてできたむし歯を治してばかりいることを表している。むし歯にはいろいろな原因があるそうだ。一人一人ちがう原因を知って、予防をすることが大切ではないだろうか。ぼくは治りょうの前にまず予防が大切だと思う。
ぼくは食べることが大好きだ。ひいおばあちゃんは自分の歯で食べるとおいしいものがもっとおいしくなると教えてくれた。ぼくはこれからも歯を大切にして、おじいちゃんになっても自分の歯でおいしいものを食べたいと思う。
 

スポーツは歯が命
墨田区立柳島小学校
6年 岩井 琢真
 
 ぼくは、フットサルというスポーツをやっています。スポーツ選手は歯が大事ということを聞いたことがあります。そこでぼくは歯の作文のテーマとしてスポーツと歯の関係について調べてみることにしました。
ぼくは、まず「スポーツと歯」という言葉でインターネットの検索をしてみました。そうしたらなんと検索結果の一番上に出てきた文字は「スポーツは歯が命」でした。ぼくはこれで、やはりスポーツと歯には深い関係があるんだなと思い、わくわくしながら調べを進めていきました。するとこんなことが分かりました。一つ目は「噛む力とパワーの関係」です。スポーツ選手は一般の人と比べて噛む力が強く、特に姿勢を安定させて集中力を高めることが大切なライフル射撃やボール競技の選手では、一般の人の3倍近くもの咬合力であると書かれていました。そして二つ目は、「噛み合わせとバランス感覚」です。フィギュアスケートや、スキー、スノーボードなどバランス感覚が重要なスポーツは数多くありますが、ここでも大切なのはしっかりとした噛み合わせ。歯と歯がきちんと噛み合うことで頭の位置も固定され、腰の位置も安定するので良いバランス感覚が保たれるそうです。総入れ歯の人に入れ歯をした場合と外した場合で直立してもらい、からだの揺れを調べると、入れ歯を外している時の方がからだの揺れ幅が大きくなったという報告もあります。しっかりとした噛み合わせは体のバランスを保ち、より高いパフォーマンスを発揮することにつながるのです。このように、スポーツ選手にとって歯がとても大事だということを示す話として、たとえば、野球のイチロー選手は一日の歯みがき回数が五回だそうです。また、海外で活躍しているプロサッカー選手には、かかりつけ歯科医に診てもらうために日本に帰国する選手もいるそうです。サッカーのJ リーグでも、トップチームには歯科医のチームドクターがいるそうです。ぼくは、今回、スポーツと歯の関係について調べてみて、スポーツ選手にとって歯は本当に大事なものだと知ることができました。
ぼくの将来の夢はフットサル選手になることです。これからは、フットサルの練習だけでなく、歯みがきをきちんとして歯を大切に、じょう夫に強くしていきたいと思いました。
 

君達はなぜ歯をみがくのか
大田区立田園調布小学校
5年 武藤 海
 
 みなさんはなぜ歯をみがきますか。親にみがけと言われたから。むし歯はいたいから。自分のため。清潔だと気持ち良いから。たくさん理由があるでしょう。私は、「しょう来のため」です。これは二つのとらえ方があります。一つ目は、大人の歯はもう生えかわらないから大事にするということです。二つ目はしょう来つきたい職業がむし歯があってはならないというとらえ方です。二つともありますが、今回は二つ目です。どんな職業かって?それは「宇宙飛行士」です。調べるとのっているかもしれませんが宇宙飛行士にはむし歯があってはならないのです。理由は宇宙に行ったとき、船外活動を行います。そのとき着る宇宙服の気圧がひくいからなんです。気圧がひくいところにいる人がむし歯で歯にあななんてあいていたらどうなるでしょう。とても、歯がいたみます。しかも、宇宙には歯医者なんていないでしょう。だからなのです。
そんな宇宙飛行士を目指す私は、歯をきちんとみがかなくてはならないのです。歯をみがくのはとても大事なことです。もちろん私はしょう来のためもありますが、気持ち良いからというのもあります。きちんと歯をみがくととっても気持ちよいです。歯がすっきりして、白くなり、笑顔もすてきになります。もし、歯をみがくのが苦手な人はなぜ歯をみがくのがいやなのか考えてみてください。めんどうくさいからですか。はみがきこが苦手だからですか。こんな方もぜひ1回でも良いので、3分間きちんと歯をみがいてみてください。じつは私も、3分はみがいていません。前に3分をはかったら、意外と長かったからです。でも終わったあと、すごくすっきりしました。ですから1分でも毎日みがいてください。なぜ私がこんなにも念をおすかというと、この喜びをきょうゆうしたいからです。人間ってこんな生きものです。
このように、歯をみがく理由はたくさんあります。しょう来のため。気持ち良いからなど。みなさん、1度なぜ歯をみがくのかゆっくり考えてみてください。そうすれば自然と自主的に歯をみがけるようになります。歯をみがくことは、利点ばかりです。それに反して、歯をみがかないことは欠点ばかりです。もし、この文章をきっかけに、歯をみがく人が1人でもふえたなら私はとてもうれしいです。なにかの目標に向かって、努力することはとても良いことです。私にとっては、歯みがきも、この努力の一つです。毎日のつみかさねが、後にどんどんつながっていくのです。みなさん、今は、歯の健康週間です。歯ブラシと歯みがきをこをそろえて、じゅんびオーケーですか?夢や目標に向けて、歯みがきで、一歩近づけるように、みんなでがんばりましょう。
日本全校の小学生の子達が歯ブラシと歯みがきこという最強の武器でむし歯きんと戦い、きれいなピカピカの歯をゲットできるよう、願っています。
 

祖母の歯
府中市立四谷小学校
6年 酒井 徹平
 
 日本では、「八十歳になっても歯を二十本以上残して健康に過ごそう」という趣旨の「八〇二〇運動」が提唱されているそうです。「八十」というのは男女を合わせた平均寿命のことで「生涯」を意味します。そして「二十」は、「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数を意味します。調べてみると八十歳で二十本を保っている人の割合は半数を下回っています。健康な歯を年をとっても保つのはどれほど難しいのかが良く分かります。ですが、ぼくの祖母は楽々と八〇二〇運動をクリアしそうです。
ぼくは、今年七十六歳になる祖母と同居しています。祖母は毎日元気に朝起きると、「おはよう、今日も元気にがんばろう。」と、にっこりとした笑顔でいつもあいさつをしてくれます。ぼくの祖母は、歯がとてもきれいで生まれてから一度もむし歯になったことがありません。祖母が昔、歯科検診に行ったときには、歯医者さんから、「あなたの歯は、とてもきれいで立派な歯なので標本にほしいくらいです。」と、言われたこともあると笑って話してくれました。ぼくは十二歳ですが、もう二本ぐらいは乳歯がむし歯になったことがあります。だから祖母の歯を見るといつもうらやましく思います。「なんでそんなにおばあちゃんは歯が丈夫なの?」と、ぼくが聞くと、「ばあちゃんは広島の海の近くで育ったからおやつはいつも煮干しやお魚だったからカルシウムがとれて良かったんじゃないの。昔は今みたいに甘いおかしなんかなかったからね。」と、話してくれました。
そこで、ぼくは歯を丈夫にする栄養について少し調べてみました。祖母の言っていたカルシウムはもちろん大事な栄養素です。カルシウムは小魚などの他にも牛乳や乳製品、大豆やひじきにも多くふくまれています。しかし他にも、良質のたんぱく質やビタミンA、C、D なども必要です。たんぱく質は歯肉を作ります。また、ビタミンAは歯の表面のエナメル質を作り、ビタミンC はエナメル質の内側にある象牙質を作ります。そして、ビタミンD はカルシウムの吸収を高めます。日本人の食事はまだまだカルシウムが不足しているそうですが、丈夫な歯を作るためには色々な食品を組み合わせてバランスのとれた食事がいいんだと思います。
そして、祖母が子どもの頃食べていた小魚や煮干しはカルシウムがふくまれていることだけではない他の良い点も見つけました。それは、良く噛むことです。噛みごたえのある食物を良く噛むことで、あごの骨を丈夫にし、歯の表面についた細菌や付着物が除去されます。つまり良く噛むことでだ液の分泌が多くなって口の中が清潔になります。
今回色々と調べてみて祖母の歯が丈夫な秘密が少し分かりました。祖母に「八〇二〇運動」のことを話したら、「実際に数えてみて。」と、言って大きく口を開けてくれました。実際にぼくが数えたら親知らずを抜いて二十八本が全てきれいに並んでいました。「あと4年たっても二十本は楽勝だね。」と、言って笑い合いました。
歯は、食べ物を噛みくだいたり発音を助ける働きがあるので祖母のようにカルシウムをたくさんとりたいです。ぼくは八十歳になっても二十本以上歯を残せるように今からでも丁ねいな歯みがきを心がけて毎日かかさず続けていきたいです。歯をきれいにして祖母のように笑顔が美しい大人になれたらいいなと思いました。