令和元年度「歯の作文」中学校優秀作文

2020年02月12日
歯みがき欲
練馬区立中村中学校
2年 小竹 優希
 
 「歯みがきって、なんかダルい」
そう思う人がほとんどだと思います。歯みがき欲なんてものはありません。食べ物を食べていなかったら食欲が出てくるのに。歯みがきも、健康寿命を延ばすためには、食事や睡眠くらい大切なのに。むし歯や歯周病を防ぐため、ゆくゆくは八〇二〇運動を達成するためには、「いかに歯みがきを楽しくするか」が重要だと思います。
まず、そのために私がしていることの一つは、耳を澄ますことです。耳を澄ましてみると、聞こえてきませんか。シャカシャカという軽快な音が。私は歯みがきをこのように耳で楽しむことも一つの手だと思っています。
二つ目は歯みがきに関してよいやり方を思い浮かべながら実行することです。これは編み物などのマニュアル通りの単純作業が好きな人にとっては効果的で、あわせて正しい歯みがきの仕方も知れるので、良い方法だと思います。
また、歯こうを着色して汚れが取れたのを分かりやすくするという方法もあります。ボーッとみがいていたら、どこをみがいているのか分からなくなってしまった、ということも防ぐことができます。着色料がついたまま外へ出るのはいやなので、歯みがきをしなければ、というプレッシャーにもなるはずです。
これらの方法もダメなら、逆の方法もあります。歯みがきをしないことをいやにさせる方法です。
一つ目は、むし歯や歯周病になったときのことを想像することです。入れ歯はお金もかかるし、自分の歯ほど食べ物をおいしく食べられません。そうすると、歯みがきをしないことが怖くなって、少しは歯みがきをしたいという気になるのではないでしょうか。この方法もよいと思います。
二つ目は、歯みがきをしていないときの口の匂いをかぐことです。きっと、メチャクチャいやなにおいだと思います。こうして、歯みがきをしないことを生理的にいやにさせることもできます。こんな匂いで町を歩けない、と思うことができたのなら、こっちの勝ちです。
このように、計五つの方法を紹介してみました。歯みがきを楽しくする方法と、歯みがきをしないことをいやにさせる方法です。この方法のどれでもよいので、歯みがきは一日最低でも一回はした方がよいです。
最後に、私は、歯みがきはできているのでこれからどうするかを書きます。私はデンタルフロスをサボらないようにしたいです。あと、歯みがきの回数を二回から三回にしたいです。デンタルフロスはときたまにするくらいで習慣づけられていないので、まずは一週間、いや、三日でも続けられるようにしたいです。歯みがきは、土日は三回できるようにしたいです。平日も、昼休みがつぶれるのはいやですが、五日のうち一回はやりたいです。
 

歯の健康
足立区立青井中学校
1年 壁田 夏稀
 
 歯を一生物にしたい。自分の歯が弱くなったり、なくなったりしてしまうと、美味しいものを味わえなくなってしまう。
ぼくの祖父は八十五歳、祖母は九十歳なのだが、二人とも歯は自分のものだ。だから少しかたい食べ物でも「美味しい、美味しい。」といってぼくたちと同じものを食べることができる。美味しいものを分け合えることは、ぼくにとってとても幸せなことである。
また、最近は、口腔内環境が良いと、認知症などになりにくいという話も聞く。祖父母にはこれからも歯を大切にしてもらって、いつまでも健康でいて欲しい。
ぼくと弟は、歯をけずるようなむし歯になったことがない。ぼくはむし歯になってしまったことがあるけれど、ぐらぐらの乳歯が少し黒くなっただけで、歯医者さんも「もう抜けるから、このまま様子を見ましょう。」と言い、治療をせずにその歯は抜けた。だからぼくたちは、歯をけずって痛い思いをしないですんでいる。その理由は、両親がぼくたちの歯を心配し、保健センターでの指導を守って、三歳二ヶ月まで甘いものを食べさせなかったからである。周りでお菓子を食べている子も多いので親も色々工夫して、冷凍バナナとヨーグルトで作る、自然の甘みだけのバナナアイスを作ってくれた。これは今でも我が家の人気のおやつである。
歯がないと、美味しいものに出会えない。「美味しい」と感じることができなければ、幸せな気持ちになれない。幸せに生きるためにも、両親の努力をむだにしないためにも、祖父母を見習って、これからも歯を大切にしていこうと思う。
 

「かむ力」の意味
調布市立第五中学校
2年 岡田 幸大
 
 「奥歯をしっかりかみしめると、力がすごく出るんだよ。」..六月の保健委員会のときに保健室の先生が話してくれました。六月は歯と口の健康週間というのがあり、僕たちに歯の健康とスポーツのつながりについて考えるきっかけになりました。
僕は小学三年生の夏から野球を始めました。きっかけは、父が週末の度に川ぞいのグラウンドに連れていってくれて、僕とサッカーをしてくれました。ボールを蹴っていると、野球グラウンドからよくボールがとんできました。そのボールを走ってくる野球チームの人に投げ返すこともよくありました。そうしていくうちに、だんだんボールを蹴ることよりも投げることの方に興味がわいてきました。そんなふうに思っていると地元の少年野球チームに入っている友達に入団をすすめられました。少年野球での一番の思い出は、小学六年の頃の夏の大会で、同学年のエースピッチャーの速球を最終回に同点ツーランホームランで打ち返したことです。中学校に入学すると、ほとんどの生徒が部活動に入ると聞き、部活動ガイダンスで野球部があることを知り、入部を決めました。入部して二年目となり、七月末の地区大会優勝を目指しています。
奥歯をかみしめると本当に力が出るのかどうかを野球部の仲間に協力してもらうことにしました。内容は、野球部員十二人を口を開けた状態と奥歯をかみしめた状態で遠投を行い、その飛距離を測りました。投げ方は、ステップなしで、踏み込んだ足がゼロメートルになるようにしました。結果は、十二人中十人が奥歯をかみしめて投げたときの方が飛距離が伸びていました。全員の平均値は、口を開けて投げた方が四十四・二メートル、奥歯をかみしめて投げた方が四十八・九メートル、飛距離の差四・七メートルとなりました。
遠投をする前の僕の予想では、奥歯をかみしめて飛距離が伸びた人は全体の半分位の人数になるだろうと思っていました。しかし、実際は八割の部員の飛距離が伸びていたことが分かりました。さらに学年ごとの飛距離の平均を比べると、一年生は口を開けて投げた方が四十四・四メートル、奥歯をかみしめた方が四十七・一メートル、飛距離の差が二・七メートルだったのに対し、二年生は口を開けた方が四十五・八メートル、奥歯をかみしめた方が四十九・〇メートル、飛距離の差が三・二メートルとなり、一年生と二年生の飛距離の差は〇・五メートル伸びていました。
今回の遠投の計測で、僕は投げるときに工夫をしました。それは、最初から奥歯をかみしめるのではなく、投げる瞬間に力を入れて奥歯をかみしめました。すると、飛距離は口を開けて投げるより、十四メートルも伸びました。
投げるだけに限らず、ボールを打つときやサッカーでボールを蹴るときなど、スピードや距離を伸ばしたいときは、その動作の瞬間に奥歯をかみしめることが、良い結果につながるということをこの遠投の計測を通して身をもって実感することができました。
「力を出したいときは、その動作の瞬間に奥歯をかみしめる。」ということを同じ野球部員に伝え、普段の練習や試合で実践してもらえるように取り組んでいきたい。そして、来年の夏の大会では仲間たちと勝利の喜びをかみしめたい。
野球部員の遠投結果
学年 番号 食いしばり 口あけ 飛距離の差
1 1 48 43 5
1 2 48 45 3
1 3 48 44 4
1 4 51 41 10
1 5 31 40 -9
1 6 47 45 2
1 7 57 53 4
2 8 51 50 1
2 9 44 48 -4
2 10 51 49 2
2 11 50 36 14
3 12 61 36 35
平均値 48.9 44.2 4.7
1年平均 47.1 44.4 2.7
2年平均 49.0 45.8 3.2
 

健康な歯は一生の宝物
日野市立平山中学校
1年 木村 妃菜
 
 私は、今まで一度もむし歯になったことがない。それは、私の密かな自慢である。
私の祖父は、今年七十八歳になるのに、元気で暮らしている。むし歯が一本もなく、自分の歯でおせんべいや畑で作ったきゅうりなどの野菜を毎日ガリガリ食べている。祖父は、「自分の歯で食べるのが一番うまい!」というのが口ぐせだ。私もそう思う。むし歯があると痛いと思うし、自分の歯ではないもので食べるのは、食べにくそう
だ。祖父の知り合いの中には、入れ歯の人がたくさんいて、「自分の歯で食べていたときよりも、美味しく感じなくなった。」と言っているそうだ。毎日美味しくご飯が食べられないのは、元気がなくなってしまうと思った。祖父が元気でいられるのも、若いころから固いものをしっかり噛んで食べ、歯みがきをし、むし歯になった時には歯医者に早く行って、治りょうをしていたからだと思う。私も、つかれていたり、忙しいときは、ついつい早く歯をみがいてしまっていたけれど、祖父の経験から、歯は若いころから大切にしていくことで年老いた時にも健康でいられる「積み重ね」だから、歯を大切にしていくことを心がけようと思った。
それでは、歯を大切にするためには、具体的にどのようなことをすればいいのか。私が調べて考えたことは三つある。
一つ目は、歯みがきの仕方についてだ。むし歯になる原因は、プラーク(歯垢)が歯に付着してしまうと、うがいでは落とすことができないので、歯みがきをするときには、力を入れず、ていねいにみがくことが大切だと思う。
二つ目は、歯の定期検診に行くことだ。歯の定期検診とは、歯科医院で歯を見てもらいフッ素をぬってもらうことだ。私も、実際に行ったことがあるが、どのようなことに気を付けたほうが良いかなどのアドバイスももらえるので、定期的に行くことで、歯を大切にする意識も高まると思う。
三つ目は、生活習慣を整えることだ。歯と生活習慣は関係がないと思っている人も多いと思う。しかし、スマホ・ゲーム等のやりすぎ、就寝時間が遅い、朝食を食べないと歯肉炎、歯周病、むし歯につながってしまうという結果があることを私は初めて知った。
これら三つの考えたことや知ったこと、祖父の体験から、歯は若いうちから大切にすることで、人生百年時代をむかえる今、元気に楽しく、一生健康な歯でいられるように、歯に大切なことを習慣にしていこうと思う。