平成30年度「歯の作文」最優秀作品

2019年02月10日
文京区立明化小学校6年
なかむら ももか
中村 紋百佳
作文『小さな歯がつくる輝く笑顔』

目黒区立第九中学校3年
かきざき りょうた
柿崎 良太
作文『歯に対する感謝の気持ち』

 
 
「小さな歯がつくる輝く笑顔」
文京区立明化小学校
6年 中村 紋百佳
 
 私は、幼稚園の年長から約二年間、矯正治療をしてきた。夜寝ている間に、リテーナーという装置を口の中に装着し、せまいあごを少しずつ広げ、歯と歯の間のスペースを作ることで歯並びを良くしようとする方法だ。
歯、それは一つ一つとても小さい。皆誰もが持っているものだが、誰一人として同じ色、形、並び、治療をしている人はいない。だから身元不明の死体が、歯の治療跡を調べることで、誰かと特定することができる時がある。
小さな歯は、実はとても存在感のあるもので、人の個性を表すものなのである。
前歯の、上下が前後ともガタガタに生えていた私の歯は、治療をはじめて十ヶ月頃から、ほんの少しずつお行儀よく、徐々にそろいはじめた。お母さんは嬉しそうな様子。歯医者さんも満足そう。しかし、本人の私は、ガタガタがそんなに変なのか、そろってきた歯がそんなに喜ばしいことなのか、よくわからなかった。言えることは、歯磨きがしやすくなったことだった。それと気付いたことは、歯磨きに関するテレビの CMに映し出された人の歯に似ていることだった。
鏡の前で思いっきり歯を見せて笑ってみた。顔の表情がかわっていた。そうなのだ、歯は食べ物をかむことや、むし歯になることに気を付けるものだけではなく、顔の表情を変えることができるもの。特別に付け足したかざりではなく、元々人々が持っているどれ一つとして同じものが存在していない、天然のアクセサリーなのである。こわれてしまえば治療する。おいしいものを何でも食べられるじょうぶな歯は健康な体をつくる。よごれてしまった歯はクリーニングすればまた、口元から白い歯をのぞかせる。そう考えれば、一つ一つ小さい歯を一日一日はていねいに磨いてあげたくなる。どれ一つとして欠けてほしくない大事なものなのである。
やえ歯をかわいいと言う人もいれば、嫌いな人もいる。そろった歯だけが美しいというのではなく、自分に自信を持って生活するための、表情を豊かにし印象を変えることができる、歯は一つのパーツと考えれば良いのではないだろうか。
 

 
「歯に対する感謝の気持ち」
目黒区立第九中学校
3年 柿崎 良太
 
 僕にとって歯磨きをすることとは、歯に対する感謝を伝えることだと思います。人が食べ物を食べれば、その分だけ歯は汚れていきます。そんな歯を歯磨きもしないで放っておけば歯が病気にかかってしまうのは当然です。そのようなことにならないように、毎日頑張ってくれている歯に僕は感謝の気持ちを込めて、歯磨きをします。歯の磨き方は、沢山あります。部分によって磨き方を使い分けることで、歯はより健康で丈夫に保つことができます。そうすることによって、同時に私たちの健康も保たれていくことになります。ですが、現代の人々の社会にはむし歯や歯周病、歯肉炎といった歯の病気がたくさんあり、昔と比べて歯に何らかの問題を抱えている人も少なくはないと思います。食生活にもだいぶ変化が起こり、柔らかい食べ物が増えたため、歯での噛み方も変わり、人はよく噛んで食べるということをあまりしなくなりました。噛むということは単純な動作にすぎないですが、あごが強くなるばかりではなく、脳を活性化する働きがあり、とても重要な動作です。しかし、ただ噛むといっても、そこに自分の健康な歯が無ければ、物を噛むことさえできなくなってしまいます。今はきれいで健康な歯でも、自分でしっかり守っていかなければ、将来、おいしい食事ができなくなってしまうかもしれません。人の歯が生え変わるのは、たった一度だけです。そんな貴重な歯を「あって当たり前」などと思わずに、「いつもありがとう」という気持ちを持ち続けて、歯磨きをしていきたいと思います。今ある歯をきれいなまま一生保てるかは自分たち次第です。一人一人が歯の大切さをちゃんと認識し、そして大事にしていけば、歯もずっと健康なままでいられるでしょう。自分の歯を守れるのは自分だけです。いつまでたっても健康な歯は、私たちの大切な宝物であり、この宝物たちは僕たちの体や笑顔を守り、そして楽しい毎日をプレゼントしてくれると思います。そのためにも、僕は日々の食生活、歯磨きを今まで以上に意識していきたいと思います。